独奏とアンサンブルのちがい


 

 

一人で弾くことが好きな人、

みんなと一緒に合わせることが

好きな人、どちらも楽しい人。

 

同じ楽器を弾いていても

人それぞれです。

 

うちの生徒さんは、

クラシックに限らず、

発表会では映画音楽や

アニメの曲を弾いている方も多く、

 

型にはまらずに

楽しんでいらっしゃるのを

うれしく見守っています。

 

さて、

一人で弾くのと

人と合わせてアンサンブルすることの

「ちがい」はあると思いますか?

 

私はどちらも

それぞれの良さがあり好きですが、

使う神経が大きく違うなと

感じています。

 

一人で弾く時は、

どれだけ感じることを

音に乗せていけるかに

一番気をつかっています。

 

楽譜通りに弾いただけでは

ただ音を鳴らしているに

すぎません。

 

そこまでできて、

さらにその先、

どんな表現をしていけるか。

 

その人の価値観や感性、

世界観が表れる部分です。

 

クオリティの高さを求められるので、

楽しくもあり、難しいことでもあります。

 

アンサンブルの時に一番気をつかうのは、

周りとのリズムやテンポ、

音程の調和。

 

そして、

皆でひとつの方向性を見ながら

ともに創り上げていく

創造性の高さと豊かさ。

 

自分のことだけでなく

周りに対して何をするか、

役割は何かを把握しないと

弾けません。

 

自分のことだけに目がいっていると

周りが把握できず、

うまくいかないことが多いのです。

 

これは経験が多く必要になってきます。

 

この春から私立の中学校に通いはじめ、

オーケストラ部に入ったSちゃん。

 

弦楽器ならどれでもいいと

思っていたそうですが、

なんとコントラバス担当に。

 

そして、たまたま

バイオリンのレッスンでは、

モーツァルトの有名な弦楽四重奏曲、

「アイネクライネナハトムジーク」の

メロディだけが載っていて、

それを弾きたいと選んで練習しています。

 

初めての本格的な合奏曲。

第2バイオリンを弾いてあげながら、

こういう時はこんな弾き方、

こういう時はこんなことに気をつかう、

など、

 

合奏曲ならではのポイントを

細かく指導しているところですが、

一人でなら弾けても、

合わせるとあれれ?となることも多々。

 

案外相手の音を聴けていなくて

ずれてしまったり、

一生懸命になると

一人でテンポが速くなったり。

 

合奏曲の難しさを

少しずつ体験中です。

 

お母様が、

「いつも自分の思うようにしか

弾かないので、

コントラバスで

下から音楽を支える立場になったのは

本当にいい経験になると

思っています」

 

と書いて下さっていたのが

印象的でした。

 

自分のやりたいことも大事だし、

周りと協調することも大事。

 

ある意味、制限のある中で、

どれだけその両方を創っていけるか。

 

音楽をやっていると、

こんなところにも、

自分の人生を創り楽しむためのコツが

隠されています。

 

音楽で体験できることは

そのまま人生にも応用可。

 

音楽は本当に奥が深く、

普通に過ごしていたら

なかなか学べないことを

年齢関係なく教えてくれます。