音楽は音と音との関係性


音楽は音と音との関係性です。


音を発したときから

次の音までの間が

大事です。


音を発したあと、

どう経過をたどって

どう終わるのか、

またはどう次の音に入るのか。


その流れと、

音から音へ、

フレーズからフレーズへ、


過去・現在・未来の

関係を感じながら

進めていくことが、


バランスのとれた

演奏につながります。


楽譜に書いてあるものは

あくまで情報やガイド。


書いてある音符を

どう弾いていくのか

考える必要があります。


料理でいうと

レシピ、または材料でしか

ありません。


美味しく料理するには

どう料理するのかが

大事なのと同じです。


これも

練習しないと難しいものです。


どうしても

今やっていることに

頭が専念してしまい、


ある程度余裕がなければ

流れまで見ることが

難しいのです。


いい練習方法のひとつに、

フレーズごとに止まりながら

弾いていく、というものが

あります。


フレーズも

2音の最小フレーズから、

数小節の長いフレーズまで

色々あります。


2音ずつ区切っていくと

区切りがありすぎて

よくわからなくなるのなら、


少し長いフレーズに分けて

弾きます。


ただ分けて弾くのではなく、

曲のもともとの流れも

壊さないように意識しながら、


また、

フレーズをどう始めて

どういう経過をたどって

終わるのかを考えながら、


フレーズごとに分けて

止まりながら弾きます。


分けて止まらないと、

よく分っていないまま

通り過ぎてしまうからです。


わかりなから弾けたら、

分けてできていた

フレーズ間の隙間を

短くしていき、


最後には

もともとの流れの中で

フレーズを分って

弾けている、


という状態に

頭の中のイメージを

作ります。


できれば、

細かく最小フレーズで

練習することが

おすすめです。


流して弾いたときに、

微妙なフレーズのニュアンスが

感じられるようになり、


自然な目に見えないほどの

抑揚や呼吸感が聞こえるように

なります。


一見時間がかかる練習の

ようですが、


やった人は

その手応えを感じられる

練習法です。


慣れてくると

時間がかからなくなります。


なんでも

1回目は大変。


でも、

一つできると

あとは応用になっていきます。


そのうち

考えながら弾けたり、


自然に感じられるくらいに

なります。


先日

重音の練習をしていた中学生。


こんなの全部やるの

大変だと言っていましたが、


一つできると

他の調も似たりよったりの

音だったり運動だから、

案外弾けるようになるんだよ、


やってないから

そういうことが分からないの、


という話をしました。



勉強でもなんでも、

最初はよくわからなくて大変。


でも、

目の前にきた課題を

すぐに100%できなくてもいい、

1回踏ん張ってやったら、


そこを抜けたときに

上のレベルに上がれるんです。


そういう

自分の内面、精神を

磨いていける力を、


とくに若い世代の子たちには

音楽を通して

つけていってもらえたら

いいなと思っています。