日々レッスンをしていると、
テクニック以外のハードルが
あることに
よく気づきます。
できない原因、
やれない原因、
体が動きにくい原因。
これは、
意識ができていない、
または意識にのぼっていない
「意識」があるから。
本当にできないのではなくて、
「気にした方がいいこと」の
存在すら知らないとか、
(知識不足、意識の使い方不足)
練習が習慣になっていなくて、
先延ばしにしたり
ただ触っただけで
終わっていたり。
前者は、
「意識のしかた」を
様子を見ながら伝えています。
一つ気にすることができて
馴染んできたら、
そこで終わりにせずに
もう一つ新しく
注意することを加えて、
どちらも「感じながら」
数回練習してみてもらいます。
それができてきたら、
もう一つ加えたり、
全体のバランスを
取りつつ
「調整」をしながら弾く
練習をしてもらいます。
たいてい、
これで七割くらい
できるようになります。
あとは、
自分でその練習を再現して
「感覚化」する練習を
していけば、
分かりながら、
内容のある演奏が
できるように
なっていきます。
(が、これが不足している場合が多々あります)
レイヤーを
積み重ねていくような
練習方法ですが、
複雑なものも
これをやっていくと、
無意識で弾いていても
どこかで必要な要素を
感じながら弾けるようになり、
だんだん馴染んできます。
「感覚化する」というのは、
頭で考えないという
意味ではなく、
理由や理屈、
やるといいことをまず知り、
それをイメージしながら
感覚に落とし込んでいく
という感じです。
だから、
楽譜や指ばかり見ている場合は、
どちらも見ないで、
頭の中で見ながら
弾いてみて、
と声をかけます。
視覚に頼ると
感覚を感じたり
頭の中でのイメージ化できる
率が減ります。
不思議と、
見ない方がうまく
いっていることが
多いのです。
ということは、
普段、あるけど使っていない
能力、頭の使い方を
使えているということにも
なります。
また、
目的なき練習は、
よく見られます。
一回一回、
何をよくしたいから、
何を確認したいから、
〇〇をこういう弾き方、
練習のしかたで練習しよう、
と決めてから練習します。
これは
やり慣れてないと
難しいようです。
弾く時間以上に
考えたり試したりする
時間が必要です。
あれこれ
アイデアをあげて
一つずつ試して
いいと思うものを
選択していきます。
アイデアがないのは、
アイデアの引き出しがないか
少ないから。
そのために、
基礎練習セットという
基礎練習の教材を
沢山作ってあり、
ちょっとしたトレーニングや、
知識や感覚を増やせるものを、
アップデートしたり
新たに気づいて作ったりして
生徒さんに使って頂いています。
生徒さんが自分でやると、
なにか違ったやり方に
なっていたり、
勘違いや理解不足も
起こっていますが、
ないよりずっといいと
思っています。
レッスンで確認して頂ければ
いいものが身につきます。
小さなヒントを
沢山持っているかいないかで、
やれることの量が
変わります。
また、
同じトレーニングでも、
継続していると、
新たな発見があったり、
新しいやり方を加えてみたり
することは、
私の日々の練習でも
よくあります。
楽器を弾くというのは、
頭も体も精神も
総動員、フル活用です。
速く進むより
一つ一つ丁寧に
自分の中に入れていき、
いい感覚を育てていって
頂きたいと思っています。
練習自体ができない方には、
一日10分、
なにかやって「つないでいく」
ことからおすすめしています。
実際は
10分では終わらないとは
思いますが、
これが毎日続くと、
以外に大きな潜在力と
なります。
10分なら、
メンタルのハードルも
下がって、
とっつきやすいですね。
ぜひ
今やりたいことを通して
ご自身を高めていくことを
継続していって欲しいと
思います。
自分の価値や人生を
高めないのはもったいない。
せっかく
ここに生きているのですから。
自身の価値を高めるのは
自分自身の仕事です。
そして
とても楽しいことです。
「みんなでよくなっていこう」
これは
先月亡くなられた恩師が
持っていた精神のひとつです。
(違う言葉で何回も聞いているのだと思っています)
一人が良くなって
周りにもいい影響が広がり、
それが何人もいたら
いいエネルギーが
広がります。
今は、
合奏をとおして
自身のレッスンをとおして、
こういうことを
実現していける場を
創っていきたいと
考えています。